赤字の取引先がわかれば、対策も浮かんでくるというものだ。
そこで判明するのは、日本企業の階層の厚さがいかにコストを膨らましているかだ。
日本式経営には長所もたくさんあるが、最大の欠点として責任と権限のあいまいさがあげられる。
それが効率化を阻害しているのである。
試しに業務のフローチャートを作成、それにどのような部署がかかわっているかチェックすると、興味深い結果が得られるだろう。
受注から入金までをひとつの仕事のサイクルだとすれば、一つひとつのプロセスに実に多くのセクションがかかわっている。
これは、それだけ社内連絡にも時間と経費が必要なことを意味する。
ストップウオッチで社内連絡に必要な時間を測定すれば、驚くほど多くの時間が費やされていることが判明するだろう。
これは責任と権限が分散しているために起きる現象。
もしひとつの部署が責任を持つ体制にすれば、そうした社内調整のムダだけでも効率化できるはずである。
実際、自動車バネの中堅メーカー、パイオラックスではこうした社内調査を実施後、生産前工程の情報共有化までを組み込んだERPソフトを開発、以前は試作品の開発に120ユニット(かかわった人数と時間数の積)から、わずかに4ユニットに劇的な削減を果たした。
ERPとは「会社全体の経営資源の計画的な活用」を意味する英語の頭文字だが、一般には基幹業務の計画的統合などと理解される。
ERPソフトとは財務・会計から営業データなどまでを一元管理するアプリケーション・ソフトで、これを採用することで業務遂行に必要なデータの全社的な共有化が可能になる。
Bは営業の前工程をERPソフト・メーカーと共同開発したのである。
ERPが革新的なのは情報を一元管理するだけでなく、共有化の成果を最大限にする業務プロセスを組み込んでいるため、パイオラックスのように責任と権限を集中させるようになっている。
本末転倒だが、こうしたソフトを採用すれば、いらない部署があぶり出されるのである。
たとえば資材部が材料を受領したデータを入力した時点で、瞬時に在庫管理、買掛金勘定、総勘定元帳などのデータも自動的に書き替えられる。
また販売代理店が売上げを計上すれば、同じように在庫や営業データ、売掛金データなどが更新きれる。
業務プロセスが劇的な改革を迫られるのは、火を見るより明らかだろう。
そのERPソフトで部門収益を見られるようにしておけば、ざらに収益管理が徹底できる。
その結果として社内でやる業務か否かがはっきりと区別される。
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